ガリバー旅行記 (角川文庫)

感想・レビュー(297)

とにかく最終章がすごい。ガリバーがたどり着いた、悪徳の存在しない理想郷が、もうすっかり「すばらしい新世界」。しかも、その後に俗にまみれた人間社会に帰還してからのオチが……。風刺小説は好きじゃないですが、ここまでくると頭がおかしい(誉め言葉)!頭のいい社会不適合者は、すばらしい作家なんだなあ。
ナイス ★10 コメント(0) - 3月13日
子供の頃読んだ絵本では小人の国までしか描かれていなかったが、原作では巨人の国や空飛ぶ島、魔法使いの島、日本、馬の国にまで訪れている。この中だと日本がかなり浮いているが、ガリバーが訪れた当時は1709年、つまり鎖国政策が行われている時代なので、イギリス人であるガリバーは本来入国できない。だからオランダ人を装って一時的に入国に成功しているが滞在期間はすごく短い。それにしてもスウィフトは、作中で馬の国を描くことで人間のことを徹底的に皮肉っている。人間のことが心の底から嫌いだったんだろう。
ナイス ★1 コメント(0) - 3月7日
当時の政治・社会を、空想の国に託した風刺寓話であり、その時代性を読み解く資料的価値あり。著者がアイルランド人だからなのか、イギリス社会やら政治に厳しい批判の数々で、時に現代に通じる議論も。研究者が当時から浮世離れした悪い存在として描かれていたり、老化が止まらない不死の悲惨さを描いたり、人々が時代を降るごとに堕落していることを嘆いたり、人間の残忍さとある動物の理性を説いたり、、、。最後の談話には本人自身に対する皮肉がきいている。【#G1000】
ナイス ★3 コメント(0) - 2月23日
青空文庫版はワクワクする冒険記だったのに対し、こちら完訳版は想像以上に風刺ものだった。進むにつれて辛辣に、女性嫌いに、人間嫌いになるガリバー。面白いし、考えさせるところも多いが、読後感はよろしくない。ヤフー、ラピュタ、日本も出てくる。みんな想像上の話なのに日本だけリアルなのね。
ナイス ★8 コメント(0) - 2月18日
新潮文庫は1951年訳で、角川文庫は2011年訳だ。新潮文庫で読んだ時は文章がのれないと思ったものだが、角川文庫で読んだ時はこれぞ名作という爆笑激動の物語であった。
ナイス ★8 コメント(0) - 2月14日
「ガリバー旅行記」と言えば子供の頃に読んだ童話が朧気に記憶にあるのだけれど話としては小人の国のリリパットの話だけか、あっても巨人の国のブロブディンナグまでだった気がする。ラピュタは某アニメーションで有名だけれど、この話の本当の核は馬の国のフウイヌムなんだろう。強烈な人間批判もしくは皮肉、もし子供が読んだら人間不信になるかもしれない。子供向けの童話でこの部分をカットするのもうなずける。確かにフウイヌムの清廉さは立派だけれど、何の欲望もない人生は味気無いよなと思ってしまう僕は典型的なヤフーなんだろうな。
ナイス ★6 コメント(0) - 2016年12月28日
「男女の結びつきは性欲のせいであり、その最中に子供の生まれることなんか考えていない。(中略)だから親は義務感を背負うこともなく、子も孝心を持たなくていい。」 どこが子供むけのお話なんだろう。ガリバーは4つの場所(島)へたどり着くが、最後のフウイヌム国渡航記が人間風刺を超えて、人間社会への嫌悪まで示している。ヤフー、ラピュタの元ネタはこの本にあり。
ナイス ★27 コメント(0) - 2016年12月18日
読むたびに新しい発見があるなあ。著者の人間社会に対する強烈な風刺と人間に対する絶望が絶妙な筆致で描かれています。死なない人間のところは、超高齢化社会を予言しているのでしょうか?また、女性に対する著者の屈曲した見方もすごいです。確かに数々の悪徳は、あるものの、人間に対しては確かにいい面も存在すると思うんですが、皆さんどう思いますか。
ナイス ★2 コメント(0) - 2016年11月19日
アイルランド出張のお供にご当地作家の本を、というだけの理由で読んでみたのだが、予想以上に面白かった!冒険ものとしての発想の豊かさもあるし、イギリス社会に対する皮肉も強烈。主人公が各地でちゃっかり環境に適応して、帰国時に逆カルチャーショックを起こすところもなんかか可笑みがある。ラピュタだけでなく、Yahoo!も日本も出てくる!
ナイス ★20 コメント(0) - 2016年9月17日
主人公のガリバーが、航海の果てにたどり着いた国々での生活を綴っている。本書は、4話で構成されている。それぞれの話で、たどり着いた国の国王や住民との対話を通して、自国の政治の堕落さや人間の愚かさを痛烈に批判している。とりわけ、第4話のフウイヌム国渡行記では、その国を治める高潔なフウイヌム達の生活を通して、堕落した政治、使い道を間違えた理性を痛烈に表現している。本作は1700年代の作品だが、ここで述べらている政治や民衆に対する皮肉めいた批判は、現代のそれに対しても、鮮烈な問いかけになっていると感じる。
ナイス ★1 コメント(0) - 2016年9月14日
これは子供向けの童話では決してない。いくら人間不信に陥ったとは言え馬と懇ろの関係に陥り子供まで宿し生ませるだろうか?!
ナイス ★7 コメント(0) - 2016年9月8日
たっぷりの皮肉を旅行記という異世界エンターテイメントで包んだ点に拍手を送りたいと思いました。だからこそ直球の皮肉も、時に可笑しいと感じながら笑いながら読めるのではないかと思います。人の本質を善か悪かで問うたとき、持ち合わせているのは理性ではなく「持って生まれた悪辣さを助長するような能力にちがいない」としたほうが説明がつくことが多々あるのだと思います。それでも、彼が主君の目を引いた理由が理性であったように使い方次第ならば、フウイヌムのような高潔で賢い者に倣い、無償の親切にも気付けるヤフーでありたい。
ナイス ★13 コメント(0) - 2016年8月27日
面白かった!子供の頃に読んだ絵本の知識とは全然違った。ガリバーは小人の国から始まり、さまざまな国へ行くのだが、そこに住む人々との考え方の違いなどから、人間の愚かさや醜さについて考えさせられた。
ナイス ★3 コメント(0) - 2016年8月19日
4編からなる未開の地冒険記。ご存知のガリバー物語は初めの1編リリパット国渡航記であり、4編のフウイヌム国渡航記で醜い生き物をこれでもかと押し付けてくる風刺小説でした。なかなかインパクトありましたね…ジャックブラックの映画ガリバーのイメージが強かったので紳士的な主人公にいまいち共感できずじまいでした…
ナイス ★1 コメント(0) - 2016年7月19日
子どもの頃読んだ本にはこびとの国しか書いていないものだったので、だいぶ大人になってからその他巨人の国やら冒険活劇になっていたことを知りました。
ナイス ★8 コメント(0) - 2016年7月17日
いろいろなところで出版されてるけど、一番表紙が良かったのと、訳が読みやすいと言われていた角川文庫で。17世紀の人間と思えないほどキレキレの風刺に興味を持ちました。ヤフー嫌いになりすぎなのでは? と思うけど、まぁ気持ちはわからなくもないと思います。面白かった
ナイス ★5 コメント(0) - 2016年6月5日
童話で有名なガリバー旅行記。 元は風刺小説で、皆が知っている話は4章あるうちの1章の部分。 いろいろと勉強になりそうな部分も多く、作品としての価値はあるとは思うけど、おもしろさで言えば5段階中2ぐらいかな。 3章ぐらいから批判や皮肉的な表現が多くなってきて(最初からあるけど)、ひねくれた感じがする。 4章は如何に人間が醜いかばかりをズラズラズラズラと書いてある。 とまあ、そんな感じで話が進むにつれて読むのが苦痛になってくる(笑) でも批判するにしても的を外してはいないと思うし、作品としては悪くない。
ナイス ★1 コメント(0) - 2016年5月27日
幼い頃に児童書で読んだので子供向けの物語のように思っていたが、正しく読んでみると全く現代日本の子供には読ませたくない。昔の子供は早熟か耳年増か。時代の風刺といえば風刺、「そんなんないやろ!」と笑い飛ばさせておいて、実は現実を皮肉っている。それにしても、そのためにこれ程長々しい物語を書いたとは、作者の意図が計りかねる。作者が理想とした動物をフウイヌムとした点は興味深い。偶然にも先日読んだ「動物農場」と対を成す展開で、スウィフトは完全に逆転させてしまい、ガリバーが常軌を逸した結末が私には面白かった。
ナイス ★13 コメント(0) - 2016年5月25日
まさかガリバー旅行記がこんな内容でしかもラピュタが出てくるとは思いませんでした…
ナイス ★4 コメント(0) - 2016年5月23日
抄訳されたような胸躍る冒険活劇として読む作ではない、ということは世に周知されていることとして、どう読むべきなのだろうか。社会批判として読むには、300年を経た現在、大時代すぎてどうもついてゆかれないかもしれない。この作の主人公は突拍子もない状況に放り込まれる普通人とはいえず、そもそも、なにかおかしい気がする。そういう風に思うと、ちょっと怖いけれど、とくに「フウイヌム国渡航記」にその色が濃い狂気の書とも思えてくる。漱石が「文学評論」六編のうち一編を「スウィフトと厭世文学」に割いているようなので読んでみたい。
ナイス ★12 コメント(0) - 2016年5月15日

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