すべて真夜中の恋人たち
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読書したみんなとコメント・感想(497)
川上未映子さんの作品を今回初めて読みました。筆者の書く文章がとてもきれいで美しくて読みやすかったです。自分は冬子とは歳も性別も違いますが、冬子の感じる孤独感や恋してる時の苦しい気持ちや、言葉にならない想いというのが自分と重なりました。今、ここに言いたいけどどう言えばいいかわからなくて、自分の中でモヤモヤしてる想いがこの作品にはたくさん詰まっていて、また読みたいって思いました。光もものに当たらないと見えないって言ってましたが、それはまるで人は誰かと関わっていくことで生きているのと似てるなぁって感じました。
自分で踏み出せない人は誰かの人生の主要登場人物にはなれない。冬子のぼんやりさが自分と重なってうわーっとなった。(笑) 人は一人じゃ生きられないなと改めて思う。
どうしようもなく孤独な生活を送る主人公冬子。聖の屈折した友情?を受け入れたことに驚き。文章はきれいでイメージしやすかった。他の川上さんの作品も読んでみたいと思った。
「わたしは自分の意思で何かを選んで,それを実現させたことがあっただろうか.何もなかった.だからわたしはいまこうして,ひとりで,ここにいるのだ.」
淡々と冬子の生活が書かれているのだけど、その孤独と不器用さにハラハラしながらどんどん読めます。お酒に頼らなくてはならない日々にドキドキして、たくさんの涙と共に想いを伝えたことにホッと。。。読んでいて楽しくなる内容ではないのにこんなにも惹きこまれる作品は珍しいかも。最後はハッピーエンドではないもののいつまでも冬子のことが気になります。
文章とか雰囲気とか本の装丁とか…キレイ★でも、淡々としてて暗く感じた…。校閲の仕事はすごく魅力的なものに感じたけど、登場人物の誰にも共感できず入り込めない感じでした。ラストもすっきりしなかったー!
淡々と物静かに綴られる物語。私の読解力では若干読み込めない部分あり。後半部分で主人公冬子と聖が対峙する場面は迫力があり、私としてはそこでやっと物語に入り込めた感じ。他の方の感想でも述べられていたが、主要登場人物がこれだけ少なくて、主人公の心情吐露が大部分であるにもかかわらず奥深い作品になっていることに作者の力量を感じる。題名も校閲者という職業も効いている。それを踏まえもう一度読みたい作品。
タイトルがすごく好き。この一言に悲しさがすべて詰まっている感じで。冬子が泣くシーン、とても印象的でした。何かを受け入れる時に受け入れた分流される涙って美しいなあと感じました。そんなだから男は女の涙に弱いんだろうなあ。打算的な涙は知らん。Amazonのレビューの約半分が批判的な内容で「え~面白かったのになぁ~」とちょっとガッカリしました。とは言え、本の面白い面白くないは人それぞれですから、それは他人の事。だからちょうど冬子と聖がそれぞれを受け入れたシーンはやっぱり印象的なのです。
小説の雰囲気が川上弘美の『センセイの鞄』と似てるなあと思った。なにかが起こるわけでもなくゆっくりとしたテンポで進んでいく。最後のほうの、“自分でなにかを選択したことがあっただろうか”と思う部分や聖に“あなたは自分の中で完結してるのよ”と言われる部分に、もしかしたら自分のことかとはっとした。主人公のような人生は送りたくないと思ってしまった。冒頭の文章は素敵だったけど、小説自体は期待外れ感が否めない。
「ヘヴン」の痛さとは真逆の、静かな日々の生活の小説であった。独立した女性校閲者の心の動きを細やかに描写していく。中年男性との出会い、女友達との付き合い。お酒に逃げたり、空想の世界に浸りながらも、この世を生きていくことの大変さ。そして辛い記憶も時が経てば薄らいでいき、いい思い出となる。冬子と三束さんの光の会話が好きだった。そして、女性同士の会話というのは、本音と建前が見えづらく、怖いものだなぁ。
内にこもるような生き方をしてきた30代半ばの女性の、恋愛も含めた生き方そのもの葛藤というか模索というかを突き詰めたような物語。その不器用さにイライラさせられもしたけれど、彼女の抱えた孤独感には共感できるものもあり、思いのほか引きつけられた。なんとか幸せになってほしいと願いつつぐいぐい読まされたが、その答えははっきりとは示されていない。それでも何かが確かに変わったようなラストの余韻を残し、なかなか味わい深かった。主人公と同じ校閲者なので、校閲の仕事にまつわる考え方などにも共感でき、個人的には面白かった。
ナイス
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
コメント(0)
- 02/16
苦痛なく最後の一行まで純粋に楽しめた。30半ばのいい歳になり、様々な人の人生を見てきて「幸せな人生とは何か」というテーマに言葉に出来ないモヤモヤを抱えているのだが、それを少しだけ整理してくれた感じ。答えはないが・・・というか、答えがないというのが答えだろうが。
柔らかく静かな文章なんだけれど、酒量がエスカレートするスピード感や、高校時代の悲惨な出来事など、相当ヘヴィーでした。聖は真木よう子のイメージ。
タイトルがありふれていそうだけど、何か特別の意味があると思い読みました。ヘブンを読んでからから彼女の文章は好きでした。この作品では、冬子のようなの奥手な人の持つ感情を土足で踏みにじるのではなく果実の薄皮を剥くように慎重に表現した著者の手腕は素晴らしいと思う。聖のように自分の感情に偽りなく潔く生きる人間も、実は生きる事はもの凄くしんどいんだという所も納得できたり。冬子を通して身近に起こりうる慎ましやかな女性の人生を、さらりと吹く風のように綴った川上さんの文章表現ががクセもなく心地よく自分には入ってきた。
フリーの校閲者の入江冬子。子供の頃から人付き合いが苦手な彼女が三束さんと出会い単調だったリズムが狂っていく。冬子の気持ちがどこにあるのか、何を考えているのかがつかめず「あなたをみているといらいらする」と思う。でも心の奥の方で鈍く痛みを感じる。自分の中に冬子と同じ部分がある事を認めたくなくて「いらいらする」と冬子にぶつけるのかなと思った。聖やその他の友人達も冬子より器用に生きているようで実はそうじゃない。三束さんもそう。皆どこか不器用でそれが痛い。優しい表現で書かれているけどかなりきついお話だった。
真夜中の恋人=本当の姿は見えないけれど寄り添っていたい人、でしょうか。冬子も三束さんも聖も、相手を思う気持ちはあって、それは完全なる一方通行というわけでもないのに、どこか一人よがりで、さみしい。 淡々と過ぎてゆく、冬子の日々。ストーリーは好みが分かれそうですが、文章の緻密な美しさには脱帽です。
何よりも雰囲気がとっても好きだった。暗いんだけど、どこか魅力のある世界観。最終的に結ばれてハッピーエンドっていうのとはまた別の哀愁ある結末になんだか感動した。 あと女性同士の関係も魅力を感じた。まぁ、とにかく俺はすっごく好きな本だった。



























