神話の力 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

感想・レビュー(409)

対話という形式ゆえ話は奔放に飛び、翻訳という性質上短い件ほど解釈に苦しむ。非常に面白い話が展開されていると思うのだが、自分の貧しい理解能力ではほんの一部しか汲めないのが歯がゆい。解説を読むに、編集ゆえに文脈が抜け落ちている疑惑も八つ当たり気味に膨らむ。概ね、神話は単なる楽しみのためでなく人間を成長させ幸福=自己実現を助けるためのものである、というのが論調か。例えば仏教では、合理的で寂滅を求め出家する上座部と相性が悪く、神秘=隠喩に満ち菩薩行の大乗や密教と相性が良い。『神話の力』という観点からすれば当然か。
ナイス ★2 コメント(0) - 4月10日
人はその成り立ちや存在の理由を求めずにはいられないのでしょう。しかし、存在と存続のほかに意味はないのです。それでもなおかつ人やそのほかの存在と命に意味と永遠性はあると思いますし、思いたいのです。過去から現在、未来が存在と命とともに時間を刻むことは神話を読めば信じることができます。宗教や芸術は神話の後に続くものなのです。その順番を違えると命と意味の存在のための詩である神話を体現化した宗教によって命と意味が蹂躙されかねないのです。対談形式ですこし読みづらいですが、内容は極めて本質の啓示がなされています。
ナイス ★34 コメント(0) - 4月8日
ようやく読破。編集されているせいか、モイヤーズの質問があらゆる方向に飛ぶので、内容を頭に染み込ませるのが大変。それでもくらいつくように読むと、無尽蔵に語られる各国の神話エピソードが面白く、導き出される深い考察も興味深い。イニシエーションとして現代社会に伝わっている神話等々、知のきらめきの宝庫。全てを理解するのは難しいが、この本によって古今東西の神話に関する興味関心が増幅されたのは間違いない。キャンベルが繰り返し語る「あなたの至福を追求しなさい」、その理想の方向性を見出だすにはまだまだ学びが足りない。
ナイス ★24 コメント(0) - 3月27日
創作をしている人だけではなく、「どうして自分は普通の人間になれないんだろうか」と思い悩んでいる人にも読んでほしいと思った。訳者のあとがきが攻撃的で「オウム事件に憤っているのかな?」と思ったら1992年に発行された本と知って腑に落ちた。おぼろげだが、あのころは神秘や奇跡を売り物にしていた宗教団体が多かった記憶。「人生とは何か」「自分とは何か」「汝自身を知れ」に悩んでいる人は宗教の教えや戒律よりも、神話のほうが絶対に示唆があるだろう。これはそのいい解説書になる。宇宙の話のように「ああ」と目から鱗が落ちる。
ナイス ★10 コメント(0) - 3月26日
考えるきっかけになる言葉がそれこそ毎ページ出てくる。さきに『千の顔を持つ英雄』を読んでからのほうがいいかも。
ナイス ★4 コメント(0) - 3月20日
第一章で「ん?神話ってなんだ?どういう意味で使ってるの?」と疑問符が頭の中を飛びまくって投げ出しかけたけど、第二章以降で追いつけました。第四章、第五章は非常に面白かった。飛田氏の解説の前半部は、「この対談をここまで読んできて、なぜ故にそんな切り口…」と思わずにはいられませんでしたが…(^_^;)
ナイス ★4 コメント(0) - 2月17日
対談形式にて神話に秘められた真理を浮き彫りにする一冊。「千の顔をもつ英雄」からさらに踏み込んだ内容になっているため、一読しただけでは理解が追いつかないところも。折を見て印を付けた部分を読み返していこうと思います。
ナイス ★10 コメント(0) - 2月15日
何年も前に買ったのに、読むのにすごく時間がかかった。大人になるためのイニシエーションや結婚について、犠牲と至福、英雄の冒険あたりは、なるほどっと思うところが多かったが、愛の話と最終章は難しかった。キリスト教に馴染みが無さすぎて、ピンとこない。また、解釈的過ぎると胡散臭く感じるし、矛盾ぽい所も煙にまかれた感があって苦手な部分もあった。色々な神話が紹介されているけど、やっぱり東洋的なものに親しみを覚えるなあ。インドの神話とインディアンの神話は、読んでるとけっこう面白いものが多い。
ナイス ★10 コメント(0) - 1月29日
人としてあるべき姿で生きるために神話が重要な役割をするのだと、著者はこの本の中で何度も何度も繰り返し述べている。わかったようなわからないような、というのが本音だし、本当かよ、と少々疑問に感じる箇所もありはしたが、掲げられたテーマはとても興味深く勉強になった。神話学の入門書として読むといいかも。結婚に関しての見解が特に面白かった。
ナイス ★2 コメント(0) - 1月22日
儀式が神話性を帯びることで意味が生じる。その意味が人を成長させ、内面へ向かわせる経験となる。形式的なものって軽視しがちだけど、大事にしようと思えた。特に、映画館は神殿、というフレーズ。スマホやIoTが発達して、情報を得る機会の境界が曖昧になる中、情報を得るシチュエーションに目を向けることで、生活に張りを生むことができるかもしれない。確かに、寝室の定点カメラでひたすら喋るYouTuberを人生の師とした場合の成長に、人生のダイナミズムはあまり生まれなそうな気がする…
ナイス ★2 コメント(0) - 1月15日
人生の意味の本質である「生きている経験」を目指すために、自分自身の「至福」を追求する生き方の羅針盤としての「神話」が今まさに必要な時代なのだろう。
ナイス ★6 コメント(0) - 2016年11月7日
まったく交流がないはずの人たちが共通した話を考えるというのは、人間全体に何かしら共通の何かがあるのだろうかと。 ニーチェや、ショーペンハウエル、ブッタ、キリストにいたるまで幅広い知識がちりばめられている。 元々は、神は男でも女でもなかったというのは、そんな気がする。 東洋では神とは意思を持った力であるというものアニマニズムを彷彿するようでいい。 人生はかならず苦痛を伴う あたりが印象にのこる。
ナイス ★4 コメント(0) - 2016年10月3日
「宗教」も「音楽」も「美術」も「祭り」も「SEX」も詰まるところ死生観を体現するもの。神話とはこれらを一般化し語りつぐ帰納法的かつ弁証法的な手段か・・・
ナイス ★1 コメント(0) - 2016年5月31日
なんとか読了。ほとんど頭の中に入らなかったな。中断したページを思い出せなくて、読んだ覚えがないからこのあたりだろうと、読み進めていくうちに読んだページだったことが幾度もあった。話しの展開のつながりが分からなかったけれど、読書力の高い人には全てが面白く読めるのだろうか。基礎知識の不足、読解力の欠如、価値観の差異、色々と理由は考えられるけれど、やはり読書力の低さは否めない。再読できたらいいなぁとは思うけれども、それはかなりの時間を経てからだろうな。このレベルの本を楽しめるように早くなりたい。
ナイス ★3 コメント(0) - 2016年5月24日
神話学の入門として読んでみたが、今の自分には難しく、半分も理解できなかった。キャンベル氏の著書を他にも読んだ後、また読み返したい。
ナイス ★2 コメント(0) - 2016年5月22日
AQL
『千の顔をもつ英雄』で世界各地の神話に共通する要素を抽出して単一の理想的モデルを構築したキャンベルが、本書でそれを再び具体的なロケーションに還元していかに(神話のように)生きるかを我々に説いてくれる。「私が子供のころはみんな、ひざまでしかない半ズボンをはいていました。やがて、長ズボンをはくというすごい時期が来たものです。」ヘラクレスもブッダもキリストもアーサー王も俺もお前も自分の「長ズボン」をはいて大人になる/なったもんさ。
ナイス ★5 コメント(0) - 2016年4月22日
生き方について何かを見出すことが出来る。個人的には現代社会での結婚に対する疑問や生き方に関して疑問を多くの人が持っていると思うし、自分もその一人だがそういったことに対して神話を元に様々な例を提示してくれます。そして答えを指し示すのではなく、自分自身でその答えを考える機会を与えてもらえます。特に成人を迎えた大人になるとは社会人になるとはなどの疑問を抱えている人たちには読んでもらいたいと思います。半分も理解できてないと思うのでこれから何度も再読することだろう。
ナイス ★5 コメント(0) - 2016年3月14日
s
神話学の泰斗、ジョーゼフ・キャンベルの対話集。キャンベルは 、神話はメタファーであり、言葉に出来ない「真理」の一歩手前にあるものと言う。神話は、生きるということの経験と、苦しみにどう立ち向かうかを語る。そこでpassion(受難)はcompassion(ともに苦しむ)に昇華される。神話学入門というより、キャンベル自身の人生観や宗教観について語っている部分が多く、期待した内容とはちょっと違った。ただそこで紹介されているさまざまな神話の世界は非常に面白く、含蓄に富んでいる。
ナイス ★4 コメント(0) - 2016年3月9日
感動した部分に付箋をつけていたら、とんでもない量になりました。対話形式なのでとても解りやすく、直接語ってくれたようでした。ここを入り口にショーペンハウエルやユングも読んでみたくなります。そして日本に住んでいることの面白さにも気付かされました。素晴らしい読書体験でした。いつか必ず再読すると思います。
ナイス ★12 コメント(0) - 2016年3月3日

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