ビブリア古書堂の事件手帖7 ~栞子さんと果てない舞台~ (メディアワークス文庫) - Ayako Moroiさんの感想

栞子の母親に「あなたには何ができるの」と問われる大輔。もちろんこれは小説だから、大輔も覚悟を決め、自分のできることを示してみせるが、実は「何かできないといけない」という前提が間違っている。「あなたを好きなわたしが、わたしという人間」と栞子が告げているように、大輔が存在するということそのものが栞子にとって価値のあることなのだ。いわば「存在料」である。栞子の母親は、最後まで大輔の覚悟の方を評価したようだが、それは彼女が、存在すること自体に価値があるという人間関係を、これまで紡いでこれなかったからではないか。
ナイス ★55 コメント(0) - 4月21日
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