ましろ

女 256人登録
できる限り一冊一冊と丁寧に向き合い、言葉が溢れたときは、心を尽くして感想を綴れたなら。読みたい本は増えてゆくばかり。もどかしさと変化してゆく自分を抱えて、心惹かれる本を読んでゆきたい。
記録初日
2004年09月24日
経過日数
4599日
読んだ本
2510冊 (1日平均0.54冊)
読んだページ
497736(1日平均106)
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読み終わった本(2510冊)

賢い血 (ちくま文庫)
賢い血 (ちくま文庫)
賢い血というものが恩寵の手段としてある。方便にすぎなくともキリストを否定することは、もはやヘイズの知恵を超えている。異端を正すものを持たず、真理もない。それでも突き進む無意識の誇りや真面目さが、滑稽な宗教的苦境へ導いてゆく。狂信的にさせるほど容赦なく突きつめ、展開する物語の中には、針の先のような一点の希望しかない。それでも残された光、僅かばかりのそれを、神を信じる信じないに関わらず、人は失うまいと思うべきなのかもしれない。私たちの生きるということの根源は、そんなささやかな光によるところが大きいのだから。
安南―愛の王国
安南―愛の王国
言葉が実在を伴うのを、確かな手触りで感じた。潔い文章は、立体的に想像を掻き立てる。美しいものを尊い美しいものとして、忘れ去られる者たちを愛おしく、立ち上る匂いや湿り気、言葉なく展開された光景の一つ一つを、この目で見たような心地になる。思えば旅の始まりの前から死はあった。そうして、死によって全ては終わった。生き残った者はいなかった。あまりにも遠い地へ向かい、遠い地で暮らした。時はただ過ぎ行くものだった。神の王国すら永遠にはなれなかった。忘却に追いやられ、人生はひそやかに、清らかな静けさと共に愛だけがあった。
フラナリー・オコナーとの和やかな日々: オーラル・ヒストリー
フラナリー・オコナーとの和やかな日々: オーラル・ヒストリー
関わり合う人々から見えるフラナリー・オコナー像は、作家としての自信に満ち、自分の使命を全うし、様々な制約の中でも信じるということを貫いた勇敢な人のようだ。そして、そこから垣間見られる言葉に対する繊細さや、孤独の瞬間が救いの役割を果たすこと、人生の中で通過してきた多くの葛藤など、作品だけでは窺い知れない一人の人間としての姿を、オーラル・ヒストリーは伝えてくる。物静かで温厚だけれど、歯に衣着せぬ考えや強い意見を心に据え、ときどき隠し切れぬそれらは、人々や読者を立ち止まらせ、はっとさせる作品と共に心に残るのだ。
死せる魂
死せる魂
結末を知るすべはない。けれど未完の物語を前に、孤絶の中で自らと向き合うとき己の中に在るもの、例えば在るべき魂というもの、その求める果てなき奥深くに在る情熱について巡らせていた。チーチコフの中には、人の手に依って選び取れない情熱が在った。鳴り止まない定めとしての、抗い難い確信。その行為が清廉潔白なものと言えなくとも憎めず、作者が覗き見る魂の奥深くは、多くの脱線を含みながら人々を語り、虚しいものを追いかける愚かな私たちの姿を浮き彫りにする。おお、人生哉。死せる魂よ。我らがチーチコフの行方をあらん限り想像する。

著者グラフ

最近読んだ著者:フラナリー オコナー クリストフ バタイユ ニコライ ゴーゴリ フラナリー・オコナー ミュリエル・スパーク ジョージ グロウスミス,ウィードン グロウスミス サラ・ゴードン アリス・フェルネ ポール オースター